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あらためまして、VBA研究所の主宰者、谷です。
Q&A系のBBSでは、よく「マルチポスト」が問題になります。
マルチポストとは、「複数の掲示板にまったく同じ話題を投稿すること」と定義づけられており、一般的にはこれは「避けるべきこと」とされています。
しかし、なぜマルチポストが忌み嫌われているか、それが論議されないまま単に「マルチポスト=悪」と考えられているようです。
そこでこのスレッドでは、「マルチポスト」を根本的に考え、本当に悪いのは何かをつきつめていくと共に、この「VBA質問箱」の立場を明確にしておきたいと考えます。
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マルチポストがいけないことだ、とされる理由は、大きくふたつあります。
これはマルチポストといわれる行為そのものが2種類あるからです。
ひとつは通常の投稿を、より多くの人に見てもらおうと思い(たいていは何らかの宣伝であることが多い)、掲示板の主題と関係ない話題をあちこちに振りまく行為です。たとえば
今話題のダイエット食品が安い!詳しくは○○を見てね!
というような内容の投稿が、Excel質問箱にも、Access質問箱にも、ここ石鹸箱にも、まったくよその掲示板にも投稿される、というような例です。そもそも「マルチポスト」と呼ばれていたのはこの行為でした。
利用者はどの掲示板に行っても同じ投稿を目にすることになり、うんざりするわけです。投稿の内容がその掲示板の趣旨に合っていればまだいいのでしょうが、この質問箱に「ダイエット食品の宣伝」が投稿されていたら、どう考えてもおかしいでしょう。
これは、忌み嫌われても仕方のない投稿で、投稿そのものをやめるべきだと考えます。
もうひとつは、同じ趣旨の掲示板(特にQ&A系の掲示板)に同じ内容の質問を書き込むことです。例えば Excel質問箱にも、モーグにも、その他の質問サイトにも書き込む行為のことをいいます。
これが嫌われる理由は何か?それは、「投稿者が質問をほったらかしにする可能性が高い」からです。
Excel質問箱にもモーグにも同じ質問をして、もしモーグで解決したとしたら、その投稿者はもうExcel質問箱を参照しないでしょう。親切な人がExcel質問箱で回答をしても、その回答は「ほったらかし」になってしまい、せっかく回答してくださった人に失礼である、と考えられるからです。
しかし、本当にそうでしょうか。
そもそも、掲示板で質問をするという行為そのものを考えていただきたいのです。
単純に「疑問に答えて欲しい」なら、よく知っている人にメールで問い合わせるほうがいいでしょう。メールで問い合わせることよりも掲示板で問い合わせるほうが良いという理由が大きくふたつあります。
ひとつは、「より多数の人に答えてもらえる可能性があるから」で、
もうひとつは「質問と回答の履歴が、他の人の役にもたつから」です。
たいていの質問者は「わらにもすがる思い」で質問されていることと思います。
掲示板Aにも掲示板Bにもポストするのは、その「わらにもすがる思い」を形にしたものでしょう。複数の掲示板にポストすることにより、答えてもらえる可能性が増す、と考えるわけですね。
それだけなら、マルチポストは質問者の「自分さえよけれなそれでよい」という自分勝手な行動である、と結論づけられてしまいます。
しかし実際はそうではない、と私は考えます。
その人の疑問は、他の人の疑問であることが多いからです。
すなわち「質問&回答」がナレッジベースとなって残ることにより、きっと間違いなくほかの人の役にたつのです。掲示板Aを見ている全員の人が掲示板Bを見ているわけではありません。回答者の回答は、見ず知らずの(その人に直接質問さえしていない誰かの)役にたっているわけで、ナレッジベースが増えれば増えるほど、それはより「誰かの役に立つ掲示板」ということになるわけです。
さらに回答者の方は、その「誰かの役に立つ掲示板」を支える重要人物であるわけです。
抑制すべきは、回答をもらっていながらお礼を言わない、という行為であって、マルチポスト(質問)そのものではない、と私は考えます。
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これには実は別の、しかもよく似た問題がつきまといます。
それは「過去に行われ、ちゃんと回答を得た質問と同じ質問をする」人の存在です。過去ログをよく参照せず、同じ質問をして「それは過去に出た質問です。ちゃんと過去ログを読んでください」と回答している例を時々みかけます。
上記の「ある人の質問とそれに対する回答は、きっと別の人の役に立つ」という考え方からすれば、同じ質問をする人が存在するという事実は、「ほら、過去の質問&回答は、別の人の役に立っていないじゃないか」といわれそうです。
しかしそれも短絡的だ、と私は考えます。
例えばExcel質問箱IVだけで、すでに1万近い質問&回答の投稿があります。
いくら検索機能があるとはいえ、これだけの過去ログから自分の聞きたい内容を探し当てるのは至難の業です。過去ログをめくるよりもまず質問したい、という気持ちはある程度仕方のないものでしょう。
しかし同じ内容の質問に対して同じように回答するのは非効率です。だからといって「過去ログを見てください」とか「過去ログを見てから質問してください」と指導するのは「常連さんの立場・意見」であって、質問者の立場にたった意見ではありません。質問者にとっては「解決していない」わけで、それがマルチポストという行為に走る原因にもなります。
注意:コンピュータに詳しい人の常識は、詳しくない人には通用しません。
ではどうするのか?私の意見はこうです。
「質問者は、可能な限り過去ログを参照してください。うまく見つけられない場合は、ご遠慮なくご質問なさってください。きっと親切な方が、回答してくださいます。」
「親切な回答者の方は、その質問が過去に行われ、解決されていることを知っているならば、そのリンク先を教えてあげてください。同じような回答をするのは非効率ですが、だからといって回答しないのはもっと非効率です。」
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真意は単純です。
みなさん、助け合いましょう。
これだけです。今コンピュータに詳しい人でも、素人だった時期があったはずです。そのときは、本を調べたおしたり、人に聞きまわったりしていませんでしたか?調べたい内容が載っている本を見つけて感動したり、親切な人に教えてもらって感謝したことがありませんでしたか?それを、別の人に返していくのです。そうして、この世は回っていくのです。
VBA研究所は、親切な方がたくさんいらっしゃるので、とっても感謝しています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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